滑り止め溶剤について
(協)西日本防滑振興会 所属しております。
近年転倒事故死亡者が年々増加しております。
高齢者が増加していく中、老齢者や弱者にとって生活しやすい街づくりの観点から、「ハートビル法」や最近は「バリアフリー新法」の改正も行われ、段差を無くし行動しやすい通路とするバリアフリー化、エレベーターや手すり等の設置そして、床面に滑りにくい床材の使用や施工という安全性への配慮が謳われております。
公共施設や集合住宅から個人住宅、周辺道路などでの滑りにによる転倒事故を化学の力を活用した画期的な工法で対処。床面の景観を極端に変えず、時間的費用的にもリーズナブルな溶剤工法のご案内をいたします。
技術力の伴う工法
溶剤工法は、溶剤の内容物ありきのみの工法ではなく、技術力も同時に伴う工法です。
従来の防滑溶剤は、既存のメーカーが独自に開発したものとし、商品名プラス工法の形式で出回っているのが現状です。
しかし、溶剤内容物そのもは、多少の内容物の誤差はありますが、床面そのものの材質、その床面の環境・状態を把握した上での使用ができなければ、変色や、
劣化等施工前の景観を全く損なう事もおこりかねません。
どのメーカーの溶剤を使用するとしても、その内容物の把握と、床面の材質を把握できる施工技術者の技術力が伴わなければ、溶剤工法の特徴を発揮する工事をおこなう事は決してできないといっても過言ではありません。溶剤工法は、「メーカー名プラス工法」が本来の工法名ではなく、「溶剤工法」が本来の工法名です。
その中で、一般市場にも出回っているケースがありますが、どのメーカーの主成分においても「強酸系」の内容物が無いという事はありません。すなわち、「酸」は物質を溶かす性質をもっていることから、景観を変化させる事が可能性としてあります。
そのようなものが、一般市場にて販売され、確実
な施工を一般の人々が行えるとは非常に考えにくいものです。
メーカー名の甲乙ではなく、メーカー側の販売方法に「工法」を付帯する事からメーカー名へのこだわりや、誰しもが施工できるという錯覚がおきているのが現状です。
溶剤工法とは?
溶剤工法の原理
施工溶剤によって床面表面にもともとある隙間を広げ、コップ状のものを形成し、水の持つ表面張力(分子間力が働き離れるのを防ぐ)作用+水面に外部からの圧力(足等)が加わって起こる毛細管現象により起こる吸盤効果等で、滑りを抑制します。
施工溶剤の作用
石もタイルも基本的には組成物質の粒子の結合体であり、異なる物質の結合箇所には必ず微細な隙間があります。
タイルに使用される釉薬にも同じ事がいえ、微量ではありますが、石材おのおのに吸水性があるのも、このことから想像できるといえます。
施工溶剤は、酸性で石材の最も
反応しやすくなっている隙間に浸透し(石灰や長石、雲母に反応)溶解した部分が穴となり、表面に水分が乗ったときに床と足との間に吸盤力+表面張力等の効果が発生して滑りを抑制します。